CNET Japanに1995年を振り返る記事が出ていました。
プレステとかデジカメとかUSBとか、今は普通になってるものが出てきた年なんですねぇ。何だか感慨深いものがあります。
1995年という年を振り返ってみよう。米国大統領はWilliam Jefferson Clintonだった。そして、小汚いロッカーの格好をしてカフェに入り浸っていなかった人ならば、6人の新しい友達(米国テレビドラマ「フレンズ」の登場人物であるRachel、 Ross、 Monica、 Chandler、 Phoebe、Joeyのこと)と毎週会っていたことだろう。オクラホマシティー連邦ビル爆破事件には誰もが驚き、深い悲しみに襲われた。また、「世紀の裁判」はO. J. Simpsonの無罪に終わった。スーパーボウルを制したのは、なんとSan Francisco 49ersだった(49ersが強い時代もあったということだ)。あれやこれやで、1995年はいろいろなことが起こった年だった。CNET10周年を記念して、現在に影響を及ぼし、そして未来への道を開いた、1995年当時のテクノロジー製品トップ10を以下にまとめた。
第1位: ソニー「PlayStation」
ひょっとしたら、ソニーのPlayStationは任天堂のSuper Nintendo(スーパーファミコンの米国での商品名)になり、PlayStation 2はSuper Nintendo 2になり、PlayStation PortableはSuper Nintendo Portableになっていたかもしれない。そんな、ばかなって?いや、これは真面目な話だ。PlayStationの開発が始まった1988年、ソニーと任天堂はSuper Discなるものを共同開発しようとしていた。これは、その頃まだ発売されていなかったSuper Nintendoの専用外付けCD-ROMとなるはずのものだったが、両社は細部で合意に至らず、共同開発は取りやめになったのだ。しかし、われわれにとってはラッキーなことに、ソニーのエンジニアであった久夛良木建氏はこのアイデアを追求し続けた。そして1995年9月9日にPlayStationが米国で発売される運びとなったわけだ(日本発売は前年の12月3日)。このゲーム機は3Dゲームのことを念頭に置いて作られたマルチメディア機であり、CD-ROMベースのゲームのプレイとともに、オーディオCDの再生もできるようになっていた。初代PlayStationは小売価格299ドルで販売され、世界での販売台数は5000万台以上となった。第2位:IBM「ThinkPad 701c」
IBMがノートPCのThinkPadシリーズを発売したのは1992年だったが、このシリーズが本当に羽ばたくきっかけとなったのは701cとその「バタフライ」キーボードだった。IBMの研究員がこのキーボードのアイデアを思いついたのは、自分の娘と一緒にパズルで遊んでいた時だったという。バタフライキーボードは、ディスプレイ部分の開閉に連動して、標準サイズのキーボードが左右に展開したり、収納されたりするようになっている。残念なことに、バタフライキーボードは多くの人にとって使いにくいものだった。しかしながら、ノートパソコンのデザインとしては画期的なものであると評価され、現在ではニューヨークの近代美術館に展示されている。第3位:デジタルカメラ
デジタルカメラは今でこそ世の中に普及し、当たり前のものになっているが、コンシューマ向けデジタルカメラの時代は、1995年に発売された2機種で幕を開けたと考えられている。その1つはカシオの「QV-10」だ。QV-10は、今見れば古めかしくて不細工な形をしているが、一般消費者向けのデジタルカメラとしては初めて回転レンズ機構とLCDを搭載した製品だった。LCDのおかげで、撮影時に目を閉じてしまったかどうかをその場で確認したり、撮ったものを見て楽しんだりすることができるようになった。もう一つの機種はKodakの「DC40」である。DC40はデジタルカメラとして最初にオートフォーカス機能を搭載した製品だった。ここでもっと重要なことは、KodakがMicrosoftおよびKinko'sと提携してデジタル画像ワークステーションやキオスク端末を店舗に設置し、人々がフォトCDを簡単に作成できるようにしたことである。これにより、人々の写真撮影/閲覧形態は大きく変化した。第4位: ソニー「DCR-VX1000」
ベータマックスから8mm、VHSへと、ビデオの世界もさまざまな進化を遂げてきた。しかし、これまでに起こった進化のうちで一番大きなものはおそらく、MiniDVビデオカメラの登場だろう。最初に発売されたMiniDVビデオカメラは、ソニーのDCR-VX1000だった。このビデオカメラはVHS-Cや8mmビデオよりサイズが小さかったことが受け、販売数を伸ばした。MiniDVは、VHSの2倍の解像度を備え、コピー時の画像劣化はほとんどない。また、FireWire接続がサポートされているため、撮影した画像をコンピュータに取り込んで編集することが可能だった。第5位:ウェブ
1995年はウェブが爆発的に広まった、特筆すべき年でもある。企業、政府機関、教育機関だけでなく、ハリウッドでさえインターネットに飛びついて「The Net」を公開したくらいである(日本では「ザ・インターネット」という題名で1996年に公開された)。Netscape Navigator(Netscapeの株価はIPO後に爆発的に値上がりした)やWindows 95、Internet Explorerの影響もあり、この年はインターネットユーザー数が、前年より64%増えて1500万人になった。当時、全世帯のうちの8%がインターネットにダイアルアップ接続していた。また、1995年はテレビ番組「Computer Chronicles」がウェブ上で初めて公開された年であった。この他には、ネット上でのポルノ規制に関する公聴会が米議会で開かれたり、チャットルームやインスタントメッセージが話題になったりした。第6位:Java
Javaといっても、コーヒーのことではない(もっとも、1995年は米スターバックスでフラペチーノが発売された年でもある)。このプログラミング言語は、ウェブページのユーザーインターフェースや、その後登場する様々な技術に影響を与えた。James GoslingとSun Microsystemsを生みの親とするJavaの特徴の1つとして、多種多様なオペレーティングシステムや端末上で稼働する点が挙げられる。Javaは現在、6億5000万台以上のPCと、5億7900万台の携帯端末(携帯電話やPDAなど)を含む、17億5000万台以上の機器に搭載されている。第7位:USB規格
この3文字のアルファベットが、人とコンピュータのやり取りをシンプルなものにしようとは誰が想像しただろうか。USBよ、ありがとう。Compaq、IBM、 DEC、Intel、Microsoft、NEC、Northern Telecomによって共同開発されたUSB(Universal Serial Bus)規格によってコンピュータと、キーボード、プリンタ、ストレージデバイス、オーディオプレイヤーといった様々な機器のプラグアンドプレイが実現した。これにより、新たなデバイスをコンピュータに接続する際もアダプタカードが不要になり、パラレルポートやシリアルポートを使用しての遅いデータ転送を待たなくてもすむようになった。プラグインするだけで済むようになったのだ。旧来のやり方で音楽ファイルをMP3プレイヤーに転送することを想像してみてほしい。考えるだけでも恐ろしい。第8位:薄型プラズマテレビ
薄型のプラズマテレビがコンシューマ市場に登場したのは1995年のことだった。このテレビでは、ガスを入れたガラス管の両端に電極を置いてプラズマ状態を発生させるという、洗練された技術が使用されている。だが、画像がきれいである限り、誰もそんな技術的なことを気にかけたりはしない。確かに、画像はきれいだ。コントラストが改善され、色彩は豊かになり、視野角は古いブラウン管テレビよりも広くなった。それに、何といっても薄型スクリーンは格好が良い。もっとも、初期のプラズマテレビは1万5000ドルもしたため、多くの人々にとって、家中のテレビをすべてプラズマテレビに置き換えることは、不可能だった。第9位:QualcommのCDMA技術
携帯電話サービス(AMPS方式とTDMA方式)が初めて登場した時に使われていた携帯電話機は、レンガと同じくらいのサイズだった。にも関わらず、携帯電話に対するニーズは高く、周波数帯域と携帯電話番号が足りなくなるほどだった。そこで1995年に登場したのが、QualcommのCDMA(Code-Division Multiple Access)技術だ。CDMAは、最も成長著しい無線技術の1つとして注目を浴びるようになった。第10位:eBay
eBay創業者のPierre Omidyarは1995年当時、趣味として始めたベンチャー企業が今日のような地位を築くことになると想像していただろうか?eBayの登録者数は今日では1億人を越えた。同社はオーストラリア、中国、フランス、スイス、マレーシアなど世界中で事業を展開する。あなたが探しているものが車であろうとホームシアターシステムであろうと、はては聖母マリア像の絵の焼き柄がつくトースターであろうが、eBayにアクセスすれば見つかるかもしれない。さらに言うと、eBayがなければ、あなたが1995年から持ち続けているガラクタ、いや失礼、コレクションを販売できる場所などなかっただろう。
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