読売新聞の社説で竹島問題が取り上げられました。
「そこまで自信があるなら、国際司法裁に委ねても何の問題もあるまい。」
全くその通りですな。なんか久々にまともな記事を読んだ気がする。
[盧武鉉竹島談話]「自信があるなら国際司法裁へ」
韓国の盧武鉉大統領自ら、そうまで言うのであれば、やはり国際司法裁判所の裁定に委ねるべきではないか。
大統領は日韓関係についての特別談話で、竹島の領有権を主張する日本を強く非難した。
注目すべきは、大統領が、竹島問題で「これ以上、静かな対応で管理できない問題」として、今後、「公開的に、堂々と対処していく」と強調した点だ。
韓国内には、竹島問題で騒ぎ立てれば領有権紛争の存在を認めることになり、日本の術数にはまるだけ、という見方もある。だが、大統領は、「歴史の清算と完全な主権確立を象徴する問題」と位置づけ、最も重視すべき課題とした。
そこまで自信があるなら、国際司法裁に委ねても何の問題もあるまい。
日本は過去2回、国際司法裁に付託するよう提案したが、韓国は拒否した。紛争の存在自体を認めない韓国の頑(かたく)なな態度が、紛争解決への道を閉ざしてきた。日本政府は今後も、機会あるごとに国際司法裁への付託を提案すべきだ。
盧大統領は、日本の主張を、「植民地の領土権を主張するもの」と断じた。日露戦争中に、竹島が植民地として「真っ先に併呑(へいどん)」された、との認識からだ。
日本からすれば、一方的な解釈、と言うしかない。島根県が竹島を編入したのは植民地統治と何の関係もない。
盧大統領は先に、「国粋主義的傾向がある」と、小泉政権を非難した。だが、竹島の領有権を巡る日韓の応酬はもう半世紀以上続いている。これまでも“国粋主義”政権だったと言うのだろうか。
1952年に、韓国政府は公海上の水域に一方的に境界線を引き、その内側に竹島を含めた。韓国は、竹島を「独島」と呼び、警備隊員を常駐させ実力支配を続けてきた。日韓国交正常化交渉でも合意できず、事実上、棚上げされた。
竹島周辺は、日韓双方が自国の排他的経済水域(EEZ)と主張する係争海域だ。先日も、この係争海域で、日韓は海底地形の名称を国際機関に登録する問題を巡り、あわや衝突か、という緊迫した状況に直面したばかりだ。
話し合いの末、日韓は来月にも、EEZの境界線画定の交渉を再開するところまで来た。だが、「不当な主張の放棄」を日本に要求する盧大統領の態度は、そうした交渉を困難にするだけだ。かえって対立をエスカレートさせかねない。
北朝鮮の核問題や拉致問題の解決に向けて、日韓の協力が重要な時期だ。領有権問題を巡る対立で、こうした問題に悪影響を及ぼすことは避けねばならない。両国とも冷静に対応すべきだ。
(2006年4月26日1時47分 読売新聞)
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