チーム単独ではホンダが39年ぶりとなる優勝を果たした。
おめでとうございます。
トップで逃げるバトンの耳に心臓の鼓動が響いてくる。ホンダ単独チームとしては実に39年ぶりの優勝だ。初参戦から通算301戦目。ホンダに新たな歴史が加わった。
スタート前からの降雨でコース上には水たまりも。車がスリップし、リタイアが相次いだ。しかし、14番手スタートのバトンには「悪かったのはスタート位置だけ。2位だった36周目で最速ラップを出し、勝てると思った」と焦りはなかった。
ホンダにとっても万感の勝利だ。今季は第1期の60年代以来の単独チーム体制となり、一丸で優勝を狙っていた。開幕前には合計2万5000キロ以上ものテスト走行を敢行。だがここまで最高は第2戦のバトンの3位。苦しんだ末の栄光に、ホンダのピットは歓喜に沸き、涙を流すスタッフもいた。
バトンは速さに定評がありながら、自身112戦目までは未勝利。F1で初の栄誉に「ここまで長かったが、今日の最後の10周は人生最高の走り。最後は叫んでいた」。
60年代初頭、四輪の市販車開発を始める前にF1参戦を決めたホンダ。今季はルノーとフェラーリしか優勝していなかったが、信念で勝利をつかんだ。ホンダの福井社長と父親のジョンさんらが見守る中、バトンが表彰台に上がると、空に晴れ間が広がった。(共同)
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