米大統領選候補にエタノール熱

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アメリカの大統領候補がこぞって「エタノールだー」って言ってるらしいですが、選挙に向けた人気取りだけじゃなくて、実態がどうなってるのかちゃんと出してやって欲しいなと。
トウモロコシを植えて、育てて、収穫して、エタノールに加工して燃料にして燃やすわけですが、その過程で当然輸送や加工をするわけですからエネルギーは使います。当然アルコールになって使えるのは僅かで、ゴミとして廃棄しないといけない部分が大半でしょうから、それの処理にもエネルギーを使います。
そんなことを考えると、CO2を吸収しながら育った植物で作ったエネルギーだからCO2の排出量が増えることは無い、なんて単純な話ではないことが分かります。
ですので、植物を植えて、育てて、収穫して、エタノールに加工して、加工する時に出たカスを廃棄物として処理して、得られたエタノールを燃料として消費する、といったサイクル全部をひっくるめて考えた時に、石油を使うよりCO2排出量が減るのか? もしくは技術開発をすれば石油を使うよりCO2を減らす可能性はどの程度見込めるのかを明確にした上で方向性を決めないといけないわけです。
今のようにちゃんとそれが正しいって根拠が曖昧なまま突き進むのはなんだかきな臭くて仕方ない。

それともう一つ、全世界規模で見ると食料が余っていてそれを転用してエタノールを作っているわけではないですから、食料の確保という観点で見た時にどうなのかを見積もってもらいたいし、もっと言うと食料が足りないんだから、食料を作った結果捨てられる部分。例えば米を作った時の藁とかそういうので考えないと本質的にはだめなんじゃないかと。
アメリカは冷戦自体でさえ小麦とか食料を輸出することも武力に並ぶ武器として使ってきたわけですしね。

2008年の大統領選挙の主要候補者たちが、代替燃料エタノールの普及をそろって訴えている。全米初の党員大会が来年1月に開かれるアイオワ州が、同時に全米1のトウモロコシ産地で、トウモロコシを原料としたエタノールの全米最大の生産地でもあるからだ。アイオワを制して、指名獲得の争いを有利に展開するために、各候補者は「緑の油」にラブコールを送っている。
 アイオワ州は米国のトウモロコシ生産の約20%を占める農業州。エタノールも昨年の生産量は15億ガロンと全米1。現在28カ所の製油所があり、19カ所が新設中という。

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このページは、masashiが2007年9月17日 21:13に書いたブログ記事です。

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