時代の流れを感じさせられますね。もっともNetscapeの根はMozillaで生きていると思いますが。
1994年10月、初の商用インターネットを立ち上げたブラウザ「Netscape Navigator」が、2008年2月1日付けで往く。1998年11月にNetscapeを$4.2B(42億ドル)で買収したAOLが本日(米国時間12/28)、ブラウザ開発事業撤廃を発表する。ブラウザは現在バージョン9。
昨日のメール取材でAOL/Netscape開発部門ディレクターTom Drapeauが教えてくれたところによると、ブラウザ更新業務担当のAOLエンジニアは一握りで、業務の大半はFirefoxのスキンをNetscape風にカスタマイズしてNetscapeっぽいルック&フィールのバージョンを作ることらしい。
IEから大きな市場シェア挽回は成らなかった。実際、最新調査ではNetscapeのブラウザ市場における現シェアはたったの0.6%で、対するIEは77.35%、Firefoxは16.01%。 これは無論、かつて市場シェア90%超を誇り、1990年代ブラウザ戦争で火花を散らし、それに続くマイクロソフト反トラスト法裁判で戦った、あれと同じブラウザである。
Drapeauは、AOLが広告ベースのウェブ事業に転向したこともあり、Netscapeブラウザの維持・革新にまともな労力を割く余地はほとんど残されていない、と語る。
彼はまた、Netscapeから$2M(200万ドル)、Mitch Kaporから30万ドルの投資を得て1998年2月にNetscapeからスピンオフした非営利のMozilla(モジラ)財団の成功にも言及。Mozilla傘下のFirefoxは2006年収益が$70M(7000万ドル)近くに達し、そのほとんどはグーグルとの検索業務提携からの収入だという。ある意味、NetscapeはMozillaとFirefoxのオープンソース推進事業に生き続けている。
Netscape Navigator既存バージョンのサポート業務は米時間2008年2月1日付けで中止に。その後はUFAQやNetscapeコミュニティフォーラムでサポート情報を各自探すことになる。
AOLではさらにNetscape Archiveも設定中で、ユーザーはここでNetscapeの古いバージョンがダウンロードできるようだ(サポート抜き)。
生まれて初めて使ったブラウザを弔うのは悲しいが、TechCrunch DeadPool送りに。
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(翻訳:satomi)
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