LED信号機とドライブレコーダーの相性

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LED信号機と、事故を抑制する効果があるとして脚光を浴びつつあるドライブレコーダー、相性が悪いそうです。
なんでも、LED信号機は交流電源をそのまま接続してLEDを点灯しているため、1秒間に50回もしくは60回点滅します。
これに対してドライブレコーダーは、汎用のCCDをそのまま使っているため、1秒間に29.97コマの映像を撮影します。
これが運悪く同調してしまうと肝心の信号機が点灯していない状態で撮影され、青か赤か分からなくなる、と言うもの。
何とか解決をしてもらいたい問題ではありますが、信号機を管轄する警察庁は「ドラレコのために信号機があるのではない」としてスルーする考えみたいだし、ドラレコの普及を計りたい国交省側は「専用のCCDを開発すると低価格にできない」として歩み寄る姿勢が全くないという旧来からの縦割り行政の悪しき習慣をそのまま見せつけてくれるというバカっぷり。
お互い話し合って利害関係をちゃんと調整していただきたいものです。
スラドにも載っていましたが、LEDの極性を半分だけ反転すればほぼ問題を解決できると思うんですけど、どうなんでしょうかねぇ。

LED信号機:ドライブレコーダーに同調 新鋭機器に盲点?今日の話題:MSN毎日インタラクティブ
 交通事故の瞬間を映像で記録する「ドライブレコーダー(ドラレコ)」で発光ダイオード(LED)式信号機を撮影すると、信号の光が写らない場合のあることが、日本自動車研究所(茨城県つくば市)の調査で分かった。LEDは目に見えない速さで点滅しており、ドラレコの撮影間隔と点滅間隔が同調すると、「滅」ばかり連続して写るためだ。導入が進む新技術に意外な盲点があった形で、同研究所は「事故原因の究明などに支障が出る」と訴えている。
 ドラレコは、フロントガラスに付けたカメラで前方を撮影し、急ブレーキなどの衝撃があると前後15?30秒間の映像を記録する。国土交通省によると、全国のタクシー約27万台の1割以上が搭載済みだ。タクシー業界を対象にした同省の調査では、事故原因でもめるケースが減り、事故処理費用も減ったという。
 同研究所がドラレコの映像数万件を分析した結果、LED信号機が消灯しているように写った映像が相次いで見つかった。信号機は電流のプラスとマイナスが入れ替わる交流で光るが、入れ替わりに合わせて点滅するLEDとカメラの撮影間隔が同調したと分かった。
 従来の電球式の光は高速点滅せず、こうした問題はなかった。
 ドラレコの撮影間隔は一般用ビデオと同じ毎秒約30コマ(29・97コマ)のことが多い。西日本の交流の周波数はほぼ2倍の60ヘルツで、特に同調しやすい。50ヘルツの東日本でも、カメラの撮影間隔と周波数の組み合わせによって、数秒間の消灯状態が起き得るという。
 LED信号機は電球式より見やすく、省エネ効果も高い。警察庁によると、05年度末で全国の信号機の約7%(約13万灯)がLEDになった。
 問題の解決には、LEDの電源を直流化するか、ドラレコの撮影間隔を変える必要がある。
 しかし、ドラレコ導入を呼び掛けてきた国交省は「汎用カメラが使えず、ドラレコの価格が上がる」として、撮影間隔の変更をメーカーに要請することには及び腰だ。信号機を所管する警察庁も「ドラレコのために信号機があるわけではない。電源の変更は考えていない」と言う。
 これに対し、同研究所安全研究部の久保登研究員は「ドラレコ、LED信号機の普及が進んでからでは手遅れになる」と、行政の対応を求めている。【山田大輔】
毎日新聞 2006年8月20日 3時00分

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このページは、masashiが2006年8月20日 12:29に書いたブログ記事です。

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