B-CASカード

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消費者側の立場からすると、こんなのいらない。
ものを作る側からしても、あんなでかいカードを付ける場所を確保するのは結構大変でカードのホルダーやらコネクタの費用もかかる。フルセグチューナー内蔵のナビなんてかなりがんばってる気がする。
ホントこんなのが無ければ余計な費用負担をしなくて良いし、良いことばっかりのはずだよな。。。

 しかしこのB-CASカード、実に不思議な点が多い。当初6月2日のサービス開始が予定されていた「ダビング10」の延期とも無縁な話ではないため、その点を整理してみよう。

 まずは、発行・運用にあたるB-CAS社が私企業であること。テレビ放送という国民生活のインフラに近い部分が、いち営利企業に独占されているのだ。国民の受信料で運営される準国営的放送事業者のNHK(18.4%)が出資比率1位だとしても、2位のWOWOW(17.7%)、3位のNTT東日本/東芝/松下/日立(各12.25%)を足すだけでも66.7%と、議決権の過半数をクリアしてしまう(出資比率は電波監理審議会(第860回)会長会見資料より)。ちなみに、B-CAS社株式の譲受を制限する法律・法令は存在しない。非上場会社であり、財務内容を公開する義務もない。

 もう1つは、B-CASがクレジットカードサイズでしか供給されていないこと。B-CASカードの実体(認証および信号の複合化)は、内蔵のチップに凝縮されているが、外枠が大きいためカーナビやノートPCでの利用に支障をきたす。技術的には可能なはずだが、現在のところ「B-CASチップ」は登場していない。そのほかにも問題視されている点は多い。

 B-CASカードの登場により、視聴スタイルも変化した。従来、視聴制限の必要な放送は世帯単位の契約が主だったが、契約がB-CASカードにひも付けられたため、カードを持ち運べば未契約世帯でも視聴が可能になった。また、チューナー1基に付き1枚のB-CASカードが必要となったため、家庭で複数枚のB-CASカードを所有する――複数契約を締結している状態――も珍しくなくなった。これはNHKを例に挙げると、現行の1世帯1契約という日本放送協会受信規約が反故にされかねず、視聴者に不公平感が生じることも考えられる。B-CASカードのあり方そのものが問われる事態が多く存在しているといえるだろう。

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このページは、masashiが2008年6月 6日 08:17に書いたブログ記事です。

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