Microsoftが提唱する新しい静止画フォーマット「HD Photo」が正式発表されました。
圧縮効率に優れるとか、画像の劣化が少ないとかが特徴らしい。
米Microsoftが米国時間3月8日,新しいデジタル静止画ファイル・フォーマット「HD Photo」を正式に発表した。MicrosoftはHD Photoの標準化を目指しており,「近々しかるべき標準化団体に提出する」と述べる。HD Photoの仕様書「HD Photo Feature Spec 1.0」は,MicrosoftのWebサイトからダウンロードできる。
HD Photoは,自然画などの連続階調カラー画像を圧縮保存するためのファイル・フォーマット。現在広く使われているJPEGに比べ,画質劣化が少ないにもかかわらず最大2倍の圧縮が可能という。可逆圧縮のほか,高画質な非可逆圧縮にも対応する。
複数の解像度に対応し,画像の一部領域を処理対象にできるデコード機能を備える。カラー・バランスや明度などを調整しても元の情報を捨てないため,調整をやり直せる。
HD Photoは,Windows Vistaに標準搭載の「Windows Imaging Component(WIC)」コーデックで処理できる。アプリケーション実行環境Microsoft .NET Framework 3.0もHD Photoに対応した。Microsoftは,Windows XPおよびWindows Server 2003用に同コーデックを無償ダウンロード提供している。
またMicrosoftは同日,米Adobe Systemsの画像編集ソフトウエア「Adobe Photoshop」でHD Photoファイルの読み書きを可能とするプラグインを発表した。Adobe Photoshopのバージョン「CS3」「CS2」向けで,対応OSはWindows Vista/XP,Mac OS X(ユニバーサル・バイナリ)。
Windows用のベータ版は,既にWebサイトMicrosoft Download Centerでダウンロード提供している。最終版は,約60日後に無償提供を開始できる予定。
さらにMicrosoftは,ハードウエアなどにHD Photoファイル処理機能を実装するための開発キット「HD Photo Device Porting Kit(DPK)1.0」のダウンロード提供も,Microsoft Download Centerで行っている。
米メディア(InfoWorld)によると,MicrosoftはHD Photoを以前「Windows Media Photo」と呼んでいたという。
別の米メディア(CNET News.com)は,Microsoftデジタル・イメージング事業開発ディレクタであるJosh Weisberg氏の「HD Photo対応デジタル・カメラは,12?18カ月後に登場する」という見通しを報じている。
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